学生ローンの返済

学生ローンの返済については、アルバイトのできる期間が限られる学生に優しいとされる「元金自由返済方式」が主に採用されている。
元金自由返済方式の最大のメリットは、なんといっても1ヶ月に一度、最低利息だけの返済でもOKという点だろう。
利息以上であれば、後は自分の都合でいくらでも自由に返済ができるというものである。
中には借り入れ残高スライドリボルビング方式を採用する会社もあるが、この方式だと最低返済額が高額になってしまう為、試験休み期間中などは厳しい状況となる学生も多い。
その点、元金自由返済方式はかなり利便性に富んだ返済方式といえるだろう。
元金自由返済方式の具体的な返済例は次の通りとなる。

例)1
年率17.0%の金利で10万円を借りた場合
この場合、1ヶ月を30日とした場合の利息は、約1,400円である。
ただし、日割り計算となる為、あくまでも目安として考えて頂きたい。
仮に30日後に返済日を設定した場合(返済日は自分で決められる)、最低返済額は1,400円となる。
この時、1万円を返済した場合、8,600円は元金に充当され、次回の利息が安くなる仕組みだ。
残高が91,400円となり、次回は残元金に対して利息がかかる為、残高が減ればその分利息も安くなっていくというわけだ。
したがって、余裕がある時はなるべく多く返済した方が良いということになる。
余裕がない時は利息だけでも良いので、自分に対して甘い性格の人はつい利息のみの返済が続いてしまうところがネックとなるので、注意したいところだ。

●返済日について
クレジットカードや大手ノンバンクでは、予め返済日が決められている事が多い。
これに対して学生ローンでは、自分で返済日を設定できる上、アルバイトの変更に伴う給料日の変更などの場合、途中で変更もできるので便利だ。
学生ローンの多くは返済日より何日間は遅れても延滞にならないという「サービス期間」が多く設けられているが、返済日は余裕を持って給料日の5日後位に設定すると良いだろう。
注意しなくてはならない点もある。
例えば、返済日そのものが日曜日・祝日等の休日にあたる場合は、返済日は翌営業日に繰り越される。
しかし、サービス期間最終日が休日の場合、繰り越しとはならないので要注意だ。
これについては、意外と知らない人が多いので、覚えておいてもらいたい。
また、実際に返済をする「入金日」も注意が必要だ。
ほとんどの学生ローンでは、返済日の前後何日間の間に入金があったものを、当月分として処理している。
返済期日を過ぎて入金すると延滞利息となるが(これは誰でもわかることだが)、あまり入金が早いと「臨時返済」となるので注意してほしい。
学生ローンにおける臨時返済とは、例えば返済日が毎月25日だった場合、「余剰資金が5万円できたので、今のうちに返済しておきたい」というようなケースに対応した返済である。
残高が減るので次回利息が安くなる為、利用者にとっては大変便利なシステムだ。
しかし、次回返済日が翌付に移動しないので、万一勘違いしてしまうと、思わぬ延滞となってしまうので注意が必要だ。
したがって、借りる時に予め「当月分有効返済可能期間」を確認しておく事をおすすめする。

●長期の海外留学などの場合
学生ローンの利用者でしばし問題となるのが、長期海外留学の場合に返済をどうするか?という点である。
海外からの送金は手数料も高いし、手続きがやや複雑である。
どうしても海外留学でまとまった資金が必要という学生も少なくないので、切実な問題である。
だからといって、数か月も先の返済を予め処理してしまう事は法律上難しく、金融システムでも対応していない。
そこで、一部の学生ローンでは未来の利息を預かり、返済日の到来時に代行入金処理を行う学生ローンもある。
ただ、ここでも注意点があるので説明しておきたい。
この「預かり利息」については、基本店頭での手続きが必要である。
万一銀行振り込みでやってしまうと、帳簿処理上、当月分として処理せざるをえないのだ。
店頭での手続きができない場合、唯一の方法として現金書留で送金するという方法がある。
現金書留なら帳簿上の処理も融通が効くので、場合によっては取り扱ってくれる可能性があるのだ。
だが、予め学生ローンに確認する必要はあるだろう。
何のアポイントも取らずに送金した場合、当然に当月分として処理されてしまうだろう。
いずれにしても、長期間の海外留学は事前によく相談する事が必須となる事だけは覚えておいてもらいたい。